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2014年2月末より始まったデンマーク生活を気ままにお話しします。デンマーク語の勉強ネタやデンマークで購入できる商品などをまとめています。詳しくはaboutに記載していますので、プロフィールからお読みください。

【移民問題】「クリスマスって結局何のために祝うの?」と考えさせられたニュースについて【宗教ってなんだ?】

www.mx.dk

ekstrabladet.dk

 

これらのニュースを見て、タイトルのような考えが頭をよぎりました。

私は日本人で、一応仏教徒と言っています。(幼少期に父の転勤を機に一年間だけ仏教の幼稚園に通った経験もあり、特に意識せず仏様の存在・お数珠を片手に拝むことに抵抗?がないだけ)

そんな私がどうして「クリスマスって結局何のために祝うの?」と考えたかというと、今年の12月、デンマーク・コペンハーゲン市内にあるNørrebroという地域にて、「クリスマスの伝統の飾りつけ」を巡ってデモが起こったからです。

この地域を含むコペンハーゲン市内では、12月に入るとどこもかしこもクリスマスの飾りつけが施されます。
たとえば、車の走る道路には星やハートのイルミネーションがいくつも掛けられ、夜になると点灯し、きらびやかな雰囲気をかもし出します。
また、その地域にある並木にもライトが付けられ、キラキラと光り輝きます。
日本でもクリスマスのイルミネーションは人気があり、有名な公園やダムなどで様々な催しがあり、今ではショッピングモールや駅にもイルミネーションがあるのが当たり前になってきましたよね。
そんな時代になったいま、コペンハーゲンでは新たな動きが見られたのです。

Nørrebroは昨年までは上記にもあるように地域一体をクリスマスデコレーションしていましたが、今年度からその自治体はイルミネーションを飾るための支援費用を全面カットすることを決めました。
一番最初の記事によると、過去4年間、Nørrebroの自治体はクリスマスの飾りつけに対して支援してきたにもかかわらず、2016年はその支援金12万クローネを提供することを拒否したそうで、一応来年から特殊な電源コネクタを使用し例年通りライトアップできるようにしたい…といったようなことも書かれていました。
ですが、他の地域では今でもビカビカとイルミネーションのライトが光り輝いているのに、なぜNørrebroだけ?
…そんな風に夫と話をしてから数日後、二番目の記事にあるデモが起こったのです。

”For Frihed”(直訳:自由の為に)と呼ばれるグループ(旧ペジダ:PEGIDA: Patriotische Europäer gegen die Isla- misierung des Abendlandes, 西欧のイスラム化に反対する欧州愛国者)が中心となり、Israels Pladsでデモが行われました。
彼らが主張したのは「デンマーク、そして西洋文化がイスラム化している」ということで、今回自治体が支援を止めたことに対して、「デンマーク(キリスト教文化)の自治体にもかかわらずイスラム教文化を尊重した」ととらえたようです。
ニュースの記者はこの考えに対し、「クリスマスのデコレーションは”デンマークの文化”ではないということを彼らは忘れているのでは?」と指摘しています。
この騒動で少なくとも8人が逮捕されたそうで、逮捕された理由は定かではありませんが、このデモに対してカウンターデモをするグループが現れ、両者で暴力行為があったことが原因だと言われています。

(ペジダの意味が分からなかったため検索したところ、移民難民問題とそれに伴う犯罪についてをまとてめているページが出てきたのですが、とても興味深い内容なのでここにリンクしておこうと思います。PDFファイルです。

【難民・移民統制と犯罪統制の融合および普遍的人権の再構築】

https://toin.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=150&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1

専門用語がたくさんで私には難しい内容ですが、こういった問題に興味のある方にはまた新たな発見のある文献だと思います。)

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日本人の私から見て、コペンハーゲンにもたくさんのイスラム教徒の人たちがいると思います。
(参考:イスラム教徒が多い国って?

kennsyoukai.info  

特にこのデモのあったNørrebroは、イスラム圏の子供たちが通うイスラム教の学校があり、たしかその付近にイスラム圏の人たちがお祈りできるようにモスクも建っていると聞きました。
以前そこにあった語学学校に通っていましたが、クラスの1/3はイスラム圏の人でした。(主にパキスタンから来た人が多かった)
今通っている学校でも、パキスタン・イラン・トルコから来た生徒が多く見られます。
特に民族衣装を身にまとっている方を見る機会が日本に居た時より増えたような気がします。
まるで新大久保のコリアンタウンや元町中華街のチャイナタウンのよう…と感じた日本人は少なくないのではないでしょうか。
私はブルーライトヨ●ハマのある県出身なので、チャイナタウンもあれば、もちろん米軍基地だってあるわけで、中華街に行けば中国語が飛び交っているし、米軍基地に行けばもうそこは日本人がパスポートなしでは入れない言わば異国の地と化しているわけで、正直デンマークの人が移民増加に対して良いイメージを持っていないといっても不思議ではないと思っています。

そんな風に移民が集中した地域では様々な問題が起こりやすいと思います。主に文化的問題は引き起こるのではないでしょうか。
皆さんは去年起きたコペンハーゲンでのテロを覚えていらっしゃるでしょうか。そのテロの犯人は、警察に見つかるまでNørrebroに潜伏していました。そう、残念ながらイスラム圏の人が犯人だったのです。
このように、移民が移り住んだ国で悪さを起こすと、必然的にその移民の出身国に対して悪いイメージが付きやすくなり、事件が増えれば増えるほど不信感を抱く人が増えてしまいます。
今回のデモも、突然誰かが軽い気持ちでデモを起こそう!と言い出したわけではないと思います。
以前から問題視されていた移民問題が増えに増え、さらにこれまで問題を引き起こしてきた人々の出身国からきた移民の多い地域で突然デンマークの伝統行事が取りやめになった。
そうなることで、今までは我慢できていた気持ちがとうとうあふれ出てしまったのではないでしょうか。
※イスラム圏ではキリスト教の行事であるクリスマスは基本的には祝いません。でも日本のようにパーティーとして祝う国はあるそうです


ただクリスマスの飾りつけをする為の予算を削減しただけで、ここまで大きな宗教絡みの問題が起きてしまうデンマーク。
でも、昔からその地域に住むデンマーク人からすると、毎年毎年楽しみにしていたイルミネーションがなくなってしまったのはとても悲しむべきことであって、それだけ人々の心に深く根付いた伝統だったのではないでしょうか。
個人的に、デンマークの人々はクリスマスが大好きだと思います。バイトに行くたび、アパートやお家の窓際に小人やサンタクロース、クリスマスツリーなどの飾りが置いてあるのを見かけるのですが、皆がわくわくしているのがすぐわかります。
いまどきの子たちのことはわかりませんが、私は日本人だとしても、この行事は将来生まれてくる子供たちにはきちんとこの国の伝統として伝えていきたいし、デンマークに住む移民として尊重したいデンマークの行事のひとつです。

移民問題は実際に移民になった今、よく考えさせられる課題です。
今後もこういった難しいトピックでも、デンマークに住むいち日本人として真剣に考え、日本人の恥にならないようにしたいです。


2016/12/20